おもしろい本を読んだ。木下是雄著「理科系の作文技術」。
わたくし今現在、理科系の作文を書かなきゃいけない状況ではない。
それでも、この本の内容は役に立つ。いや、もっと若い頃に読んでおきたかったと思う。
なぜって、
「わかりやすい日本語で正確に伝える方法」について書いてあるからだ。

本来、文章は、すらすらと読めるべきである。
この本には、何がそのすらすらを妨げるのかが書いてある。

私自身、一度読んで頭に入らない文章に遭遇すると、自然と文章を分解して理解しようとする。
初めから分解して書いてあればいいのに!
海外の小説の翻訳本でそういうことによく遭遇するのは、分解不足なのね!
分解したらしたで、文章と文章をどうつなぐかにセンスが問われる。
おーーー、日本語ムズカシイね!

そんなわけで、この本を読んだおかげで、今、たったこれだけの文章を書きながらも、
日本語力のなさを痛感し、書き進むのが大変になっている。
ま、本のおかげで変化しているという事だ。

さて、
理路整然と話をするのは小さい頃からあまり得意ではない。
文章になると、時間が与えられて余裕ができるので、もう少しマシ。
でもやっぱり、言葉で伝える事よりも、言葉のいらない踊りというものを選んで取り組んできた。
これ、ホント。
今だからそう言うのではなく、踊りを始めた当初からそう思っていた。
言語表現ではなく、全身表現でいこう、って。

そんな私も、社会人になり、長いこと営業職をやったな。
お客を魅了するようなセールストークはただの憧れで終わったっけ。
あー、思い返すと、営業の仕事だって、言語表現ではなく、全身表現でやってたっけな。
「嘘つきませんの目」「テンション高めの大声」「20代女子の爽やかな色気(ウソかな)」。

わかりやすくおもしろく思慮深い言語表現に対して、憧れのまま人生を終わりたくないのよ。
あら、大袈裟な表現になっちゃった。強く、そう思う、ってこと。